考えられる状況 |
妊娠中はいろいろな原因で不正出血をすることがあります。出血があったからといってすべてが危険な状態とはいえませんが、何らかの異常があることは間違いありません。一時的な薄いピンク色や茶色の出血であればあせらずに安静にして様子を見てよいと思いますが、時間が経つにつれて出血量が増えたり下腹部の痛みが増強する場合には、一度主治医の診察が必要なこともあります。 妊娠に関係する出血で考えられるものは、下腹部の張りや収縮を伴う場合切迫流産や早産の初期症状が多く、初産のお母さんなどは子宮収縮を感じにくい場合もあるため注意が必要です。また痛みや張りを伴わずに出血するものとして子宮頚管無力症、前置胎盤は鮮血の出血があり、高位破水など少量の破水に血液が混ざり薄いピンク色を呈することもあります。
妊娠以外の出血では、子宮腟部びらんや子宮頚管ポリープなどで出血することもあります。 |
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注意点 |
主治医に出血について注意されている方や妊娠初期に内診などで子宮腟部びらんや子宮頚管ポリープなどの診断をされて説明されている方はその指示に従ってください。
少量の出血で持続しないときは、あせらずに安静を保ち様子を見てください。しかし安静にしても下腹部痛や出血が悪化したり、水っぽいものが出続ける場合は、早めに主治医に連絡を取り指示に従ってください。
突然腹痛を伴わずに多量の出血があるときには低置胎盤や前置胎盤などの可能性があり、突然腹痛と出血が始まったときには常位胎盤早期剥離も考えられます。 |
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考えられる病名 |
1)切迫流産や切迫早産
妊娠中の下腹痛の原因で最も多く、下腹部の真中(陰毛の直ぐ上)あたりの鈍痛があります。このような痛みを感じた場合は、まず安静にして症状が治まるのを待ってください。もしも時間が経って下腹痛や出血が悪化する場合は早めに主治医に相談してください。
妊娠22週未満 詳しくは・・→ こちらへ
妊娠22週以降 詳しくは・・→ こちらへ
2)低置胎盤・前置胎盤
突然、出血することがあります。妊婦健診で胎盤の位置に関して注意されている方は要注意です。
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3)子宮腟部びらんや子宮頚管ポリープ
妊娠に関係なく、日常生活でも出血することがあります。
子宮腟部びらん |
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子宮頚管ポリープ |
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4)子宮頚管無力症
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5)前期破水(高位破水など)
絨毛膜羊膜炎などがあると、突然破水してしまうこともあります。
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6)常位胎盤早期剥離
突然の下腹部痛と持続的な子宮の収縮をおこします。妊娠期間中に正常の位置にある胎盤が胎児が産まれる前に子宮から剥がれてしまう状態をいいます。胎盤が子宮から剥れてしまうことにより胎児は十分な酸素を胎盤から得られず低酸素状態になって生命の危険にさらされ、さらに母体は剥がれた胎盤などの組織因子がが血液中へ流入してDIC注)を起こし非常に危険な状態におちいることがあります。原因は高血圧、外傷、子宮の異常、感染症など多種に及びますが、妊娠高血圧症候群に合併することが多く、一度発症すると短時間に胎児生命を危うくするばかりでなく母体の生命維持のために緊急手術を行う必要があります。
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DIC注)
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