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 子宮腟部びらん 
  「びらん(糜爛)」とは、「赤くただれている」ような状態をいいます。また子宮腟部とは、子宮が腟に出ている部分(子宮の入口)をいいます。この部分は子宮の内側の細胞と腟の外側の細胞が接している(SCj:squamocolumnar junction)部分でもあり、女性ホルモン(エストロゲン)の影響を受けて子宮の内側の細胞が腟側に張り出してきて赤くただれているように見える(偽性びらん)場合と、腟の外側の細胞が炎症などで赤くただれている(真性びらん)があります。 
   
SCj:squamocolumnar junctionとは 子宮の内側の細胞と腟の外側の細胞が入れ替る部分に、どちらの細胞にも変わることが出来る予備細胞から出来ている移行帯(SCJ)と呼ばれる部分があります。
この部分が腟の外側に移動してきて、子宮の内側の細胞が子宮口にむき出しになった状態が子宮腟部びらん(偽性びらん)といいます。
 
   
女性ホルモン(エストロゲン)によるびらん 子宮腟部びらんは、真性びらんと偽性びらんがあります。
偽性びらんは、思春期〜性成熟期にエストロゲンの作用で移行帯(SCJ)が腟側へ移動して子宮頚管の内膜が腟へ露出した状態で、赤く見えます。
真性びらんは、偽性びらんが何らかの外傷や炎症によって円柱上皮が剥がれてしまい出血しやすくなっている状態をいいます。
   
  性成熟期の偽性びらんは性交などによって傷ついて真性びらんになり、さらに同部位が性病などの感染部位にもなります。
女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量の少ない小児期や更年期になると、移行帯(SCJ)は子宮頚管の中へ移動して偽性びらんは見られなくなります。
 

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