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前置胎盤と低置胎盤 
日本産婦人科学会では次のように定義されています。「前置胎盤とは胎盤の一部または大部分が子宮下部に付着し、内子宮口におよぶものをいう。内子宮口にかかる程度により、全・一部・辺縁の3種類に分類する。
これは子宮口開大とは無関係に診断の時点で決め、検査を反復した場合は最終診断による。なお、低置胎盤は含まない。」ようするに、子宮内で胎盤の位置が子宮口近くにあり、将来赤ちゃんが産まれてくる子宮口を胎盤自体がふさいでしまっている状態です。
また胎盤には血液が充満している為子宮口付近ではちょっとしたことで胎盤の血管が傷つき大出血する事があります。頻度は、全妊娠中0.5%前後で再発率は4〜8%位と報告されています。
 
   
原因 受精卵の子宮への着床位置が通常より下方になってしまった為です。着床位置が下方になる原因は・・・
@ 頻回の人工妊娠中絶術による子宮内膜の変化
A 感染症などによる子宮内膜の変化
B 多産や前回帝王切開術の既往など
 
   
症状 突発する無痛性の不正性器出血です。典型的な症状は、妊娠中期ごろより少量の出血が反復し妊娠経過と共に出血量が増加してきます。陣痛が始まると多量出血になります。 
   
診断 診断方法は、超音波検査以外ありません。妊娠初期〜中期(妊娠22週以前)では診断が難しく、超音波検査で前置胎盤を疑っていても妊娠経過と共に子宮が増大し胎盤が子宮口から離れて行く事もあります。これは、内子宮口付近が子宮の増大にしたがい広がってくるからです。最終診断時期は、22〜24週以降が適切とされています。また、前置胎盤を疑っている間は内診により出血する可能性があるため、内診は必要最小限にされます。逆に内診によって出血した為に本症を初めて診断される事もあります。 
   
治療 ★母体の管理と治療
前置胎盤の妊婦さんは、妊娠中に出血を繰り返していることが多く貧血になりやすい。また分娩はほぼ100%帝王切開を行います。通常の帝王切開よりも胎盤を剥した部位より出血が多く、時には予想を上回る出血をする事も良くあります。そのため緊急手術時には輸血用血液を準備、予定手術の時には自家血輸血(事前に自分の血液を輸血用に保存しておく事)を何回かに分けて保存しておきます。
前置胎盤の帝王切開術では、出血が最大の問題になります。胎盤剥離部位の出血が止まらない時や、前回帝王切開術の既往のある方の前置胎盤で前回の手術部位へ癒着胎盤の可能性もあり出血が止まらないときなどは、子宮摘出手術を施行する事もあります。
 

★胎児に対する管理
妊娠中に出血している血液は全て母体側の血液です。胎児の血液は、出血しません。しかし例外的に、帝王切開時に胎盤を分け入って胎児を娩出させるような時には胎児の出血を伴う事もありえます。
妊娠37週以降まで大出血を認めずに経過した場合には胎児は問題ありませんが、それ以前の妊娠中に突然出血をした場合には、胎児が未熟な状態であっても緊急帝王切開術を行う必要が有ります。
   
前置胎盤の種類
 

低置胎盤

 低置胎盤とは、胎盤が内子宮口近くに存在するが、子宮口は塞いでいない状態です。前置胎盤同様出血しやすい状態ですが、経腟分娩可能なことが多いです。
 
前置胎盤の超音波診断
 

こちらの超音波写真もご覧ください。
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