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 妊娠8週から11週 
胎児の発育 ★経腟超音波検査
@ この時期の胎児は10〜40g位になり、1頭身で四肢の区別ができるようになり1週間で1cmほど身長(実際に計測するのは胎児の頭殿長です)が伸びます。頭殿長(CRL)とは、胎児の座高だと考えてください。
A 妊娠3ヶ月の胎児は、下の計算式から大体のCRLが求められます。   CRL(cm)=妊娠週数−7
B 妊娠8週で胎児の四肢が棒状に確認出来始めます。
C 妊娠8週〜12週にかけてのCRLは最終月経が不明瞭なときに分娩予定日を決める重要な手掛かりになります。また生理的な臍帯ヘルニア(でべそ)が認められます。
D 妊娠9週で胎児の心拍数は毎分160回前後に増加します。
E 妊娠10週になると、羊水は30mlほどになります。
 
 
胎児の頭殿長は、16.0mmになり四肢もはっきりと確認できるようになりました。
妊娠8週2日
胎児の頭殿長は、22.6mmになりへその緒がはっきりと確認できるようになりました。
妊娠9週3日
   
  ★胎児の異常
@ 子宮内に直径25o以上の胎のう(GS:胎児を包んでいる袋)が確認されても胎児が見つからない → 流産?
A 子宮内の胎のうに胎児を確認できるが、心拍の確認できないもの → 流産の可能性あり
B 胎のうと子宮の間に出血を認める → 絨毛膜下血腫
C 子宮内に胎のうを認めず、子宮外に胎のうを認める → 子宮外妊娠
D 子宮内にはっきりとした胎のうを認めず、小さなのう胞がたくさんある → 胞状奇胎
E 胎児の後頚部浮腫(NT)がある → 染色体異常の可能性?
 
 
赤い矢印で示している部分が後頚部浮腫(NT)です。
胎児部分を確認できず、小さなつぶ状の固まりすべてが胞状奇胎です。
子宮の中(ut)は、妊娠変化を起こし厚くなった子宮内膜だけで右側の付属器(r.ad)に
子宮外妊娠の胎のうを確認します。
2絨網膜2羊膜性双胎 (DD Twilling)(2卵性双胎児)です。
切迫流産です。矢印の部分が出血しているところです。
   
母体の変化 ★正常な変化
@ つわりが続く → 尿量が少なくなったら注意が必要です → 多胎妊娠・胞状奇胎など
A 基礎体温は高温が続きますが、胎盤が完成してくると徐々に低下してきます
B 下腹の張りや軽い痛みを感じる → 妊娠すると子宮の周囲に血液が充満し、さらに子宮自体が大きくなるために子宮を支えている靭帯という組織がつれるため、また黄体のう胞などでも張りを感じることもあります
C 肌のかゆみを感じたり、便秘しがちになる
D 乳房が張り、乳頭や乳輪が黒ずみ始め、乳首に軽い刺激を加えると濃厚な黄色みがかった初乳が出始めます。
E 腟内のおりものが増えてきます
F 顔、首、胸などに、小さな血管が浮出てきたり、手指に赤い斑点が出来る
 
   
  ★母体の異常な変化
@ 性器出血 → 切迫流産不全流産絨毛膜下血腫頚管ポリープびらん子宮外妊娠胞状奇胎子宮頚部ガンなど
A 下腹部痛 → (上記に追加)子宮筋腫合併妊娠卵巣のう腫(黄体のう胞の増大)靭帯痙攣便秘
B 外陰部のかゆみやおりもの → 真菌性腟外陰炎(カンジダ性腟外陰炎)・細菌性腟外陰炎トリコモナス腟外陰炎
 
   
注意点  ★少量の出血があったからとあせることは禁物です。妊婦健診で主治医に特に注意されず赤ちゃんの発育を確認しているならば、落ち着いて安静にして様子を見ましょう。1〜2時間たって症状が悪化してくるようならば、主治医へ連絡してください。

★この時期になると、両側ソケイ部(足の付け根あたり、陰毛の両側あたり)がつれるような痛みを感じることがあります。これは子宮と骨盤を繋いでいる靭帯(じんたい)が子宮の増大とともに引っ張られるからで異常ではありません。安静にすればすぐによくなります。

★両側ソケイ部(足の付け根あたり、陰毛の両側あたり)とおへそを結んだ三角形の中が痛かったり硬く感じるときには、子宮が収縮している可能性があります。しばらく安静にして症状が無くなれば心配ないと思われますが、繰り返す場合は早めに主治医に相談してください。 
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