原生動物中の鞭毛虫で鞭毛(毛の一種)が生えてこれを動かしながら運動します。トリコモナス類の多くは脊椎動物に感染し、特にヒトに感染するTrichomonas vaginalis は性行為感染症を引き起こす原虫として知られています。 |
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症状 |
においのある黄色の泡立つようなおりものと掻痒感。不正出血や接触出血(セックスの後の出血)の原因にもなります。比較的多い腟炎で時には難治性のものもあります。その理由はトリコモナスが腟以外の子宮頸管、バルトリン腺、スキーン腺、尿路などにも感染していることがあり、トリコモナス腟炎の再感染の原因となるためです。そのため非妊娠時は、月経後の再発が多いので治療後は次回の月経後の再検査をお勧めいたします。男性は無症候性感染もみられますが、女性はトリコモナス感染だけではおりものに悪臭はあまりありませんが、悪臭の原因となる嫌気性細菌や一般細菌と混合感染を起こすことが多いです。 |
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診断 |
腟(後腟円蓋部)より採取したおりものを顕微鏡で検査すると多数の白血球の間に生理食塩水内で動き回るトリコモナスを確認できます。同時に培養検査も行い診断します。 |
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治療 |
妊娠中はメトロニダゾール腟錠(フラジール腟錠)やチニダゾール腟錠(ハイシジン腟錠)を腟内に連日挿入して局所治療を行います。難治性や再発を繰り返す場合はメトロニダゾール(フラジール錠)の内服薬を経口投与する場合もあります。またパートナー間とピンポン感染を起こすこともあるためパートナーも同時に治療する必要があります。
注意:メトロニダゾール内服治療時は、飲酒によりアンタビュース様作用(腹痛、嘔吐、潮紅など)が現われることがあるので、服薬中の飲酒は避けるようにしてください。 |
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胎児への感染 |
分娩時の産道感染がほとんどです。胎児が感染すると新生児肺炎や新生児腟炎(女児)を起こします。 |