考えられる状況 |
「おりもの」の大部分は子宮頚管や腟からの分泌物で、月経周期によって変化するエストロゲン(女性ホルモン)によって性質や量が変化します。妊娠するとプロゲステロン(女性ホルモン)が増加するために、腟や子宮腟部などが非妊娠時に比べてむくみやすくなり表在の細胞が剥がれやすくなり、「おりもの」が増加します。またエストロゲンは腟内を酸性に保ち、外部からの感染を防ぎますが、妊娠するとプロゲステロンが増加するため、腟内の酸性度が低下するためにカンジダなどに感染しやすくなります。 |
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注意点 |
妊娠中に、ただ単に「おりもの」が増えただけであれば、様子をみてよいと思います。
「おりもの」が増えて、かゆみや悪臭が気になるときは、カンジダや細菌感染などが考えられます。主治医の診察を受けることをお勧めします。
また、妊婦健診の内診後に少量の出血が混じることもあり茶色がかった「おりもの」が続くこともあります。お産が近づいていれば、「おしるし」であることも考えられます。 |
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考えられる病名 |
1)生理的な「おりもの」
正常妊娠であれば、非妊娠時よりもやや黄色がかった「おりもの」が増えます。かゆみや悪臭が無ければ様子をみてよいと思われます。
2)かゆみが無い
臭いは無いが茶色いとき・・・子宮腟部びらん、子宮頚管ポリープ、おしるし
いやな臭いがする・・・細菌性腟炎、子宮頚がん(まれですが)
3)かゆみを伴うとき
臭いは無いとき・・・腟カンジダ症(初期ではかゆみが無いこともあります)、クラミジア感染症(かゆみの無いこともあります)
パンティーライナー(おりものシート)などをご使用の場合にかぶれてかゆみを感じる場合もあります。
いやな臭いがする・・・腟トリコモナス症、細菌性腟炎(外陰炎を伴う場合)、子宮頚がん(まれですが) |