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 出生前検査について
出生前検査とは赤ちゃんがどんな病気や異常を持っているかを生まれる前に調べる検査です。赤ちゃんの病的状態を判断し、妊娠中のお母さんのからだや赤ちゃんのからだを守り、そして赤ちゃんが生まれてから重い病気にならないように予防するために行われています。決して、障害のある赤ちゃんを見つけて、排除するためのものではありません。
主な検査法として @超音波検査法
Aトリプルマーカー(クワトロマーカー)スクリーニング検査
B羊水検査法
・・・・・などがあります。
 
染色体異常症のリスク因子】 染色体異常症のリスク因子とは、出生前診断の対象となる因子のことです。またその因子があるため出生前診断を行い異常と診断される頻度は以下の通りです。

 リスク因子  頻度
 母体年齢が35才以上  2%
 過去に染色体異常児の出産経験がある  1〜2%
 夫婦のどちらかに染色体の異常がある  
   ロバートソン転座  5.5%
   Reciprocal translocation  11.6%
   逆位  5.9%
 妊婦が脆弱X症候群の保因者  25%
 トリプル(クワトロ)マーカーの異常値   検査結果による
 超音波診断結果の異常   検査結果による
超音波検査 赤ちゃんを形態的に観察する装置で、お母さんと赤ちゃんの双方に安全に検査が行えます。赤ちゃんの行動から赤ちゃんが元気かどうか、赤ちゃんのからだの構造や発育に異常はないかなどを調べます。妊婦健診では超音波を用いて赤ちゃんの成長を適宜チェックしています。 
  
トリプルマーカー(クワトロマーカー)スクリーニング検査  おなかの赤ちゃんがダウン症・18トリソミー・開放性神経管奇形である確率を調べるスクリーニング検査で、妊娠15-18週頃に希望する妊婦さんに行います。
ダウン症児の約70%は、全妊婦さんの約92%を占める35歳未満の妊婦さんから生まれるとされています。しかし、高年齢であるとか、ダウン症の子供を産んだことがあるとか、転座型の保因者であるなど特別な理由がない妊婦さんが、確定診断である羊水検査を受ける機会はほとんどありません。しかし、高齢の妊婦さん以外でもトリプルマーカー(クワトロマーカー)スクリーニング検査を受け、ハイリスクとわかれば、羊水検査を受けることを選択できます。
開放性神経管奇形・18トリソミーは超音波検査などで診断がある程度できるようになってきていますが、ダウン症は羊水検査をしなければ診断ができません。従って、この検査は、ダウン症を心配される方が羊水検査を受けるかどうかを決めるために行う検査です。
ダウン症は高齢妊娠で頻度が高いことから、これまでは、高齢の妊婦さんで希望される方のみ羊水検査を行ってきました。しかし、羊水検査には、その検査によって流産や胎児が死亡するリスク(約300回の羊水採取に1人程度)があります。この検査によって高齢出産であっても、個々のケースでダウン症の可能性が低いことがわかれば、羊水検査をしないことを選択することもできます。また、若い妊婦さんがこの検査を受けた結果、リスクが高い場合には羊水検査を受けるという選択も可能です。
この様にこの検査結果は、羊水検査を受けるかどうかを妊婦さん自身が判断するための情報と考えて下さい。従って、可能性が高くても羊水検査を受けたくない人や、逆に確実な診断を希望して羊水検査を受けたいと思っている人は、この検査を受ける必要はありません。
  
   
羊水検査法  赤ちゃんの染色体異常をみる検査で、検査を希望する方に行います。
染色体異常の赤ちゃんを出産したことのある方、ダウン症のトリプルマーカー(クワトロマーカー)スクリーニング検査で染色体異常のリスクが高いと診断された方、超音波検査で異常を指摘された方、高齢妊娠でダウン症の正確な診断を希望される方などが対象になります。
検査は妊娠15−18週頃に超音波で安全を確認しながらお腹に細い針を刺して、羊水を採ります。採った羊水からその中に浮いている赤ちゃんの細胞を培養して増やし、染色体の異常を診断します。染色体の数や大きな染色体構造異常がほぼ確実に診断されます。しかし、検査によって異常な出血や感染がおこり流産する危険性が1/300位の頻度であるとされています。
  
   
さらに詳しく 染色体異常
ダウン症

トリプルマーカー(クワトロマーカー)スクリーニング検査

胎児出生前診断
 
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