考えられる状況 |
子宮頚管長の短縮を指摘されている場合、胎児や胎児の入っている胎胞(卵膜)が子宮口を押し広げている可能性があります。正常の子宮頚管の長さは妊娠週数によって異なりますが3.5〜4cm以上とされています。子宮収縮を伴わずに妊娠経過と共に子宮頚管が軟化して頚管の短縮を起こす場合を頚管無力症と診断しますが、臨床的には子宮収縮の有無にかかわらず切迫早産として扱い、長さが2〜2.5p以下になると入院治療が必要になります。
突然の下腹痛などが起こった場合、妊娠が関係しているものでは常位胎盤早期剥離などがありますが婦人科以外の病気も考えられます。時間が経つにつれて周期的な張りや痛みに変化する場合は、切迫早産が考えられ、そのままにしていると子宮口の開大や軟化、胎児の下降、子宮頚管の短縮、出血など症状悪化のおそれもあります。 |
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注意点 |
下腹部の張りや痛みを感じた場合はソファーなどで横になり、薬を処方されている方は主治医の指示通り内服をして安静にしてください。安静にして症状が治まり再発が無いようであれば特に心配ないと思われますが、子宮頚管の短縮があると胎児の下降が急激に起こり破水や分娩開始に至ることもあります。張りや痛みが何度も繰返すときは必ず主治医に連絡してください。胎動などによる生理的な痛みである場合もありますが子宮の収縮や痛みが時間の経過とともに増加する場合や出血が始まったときなどは早めに主治医とご相談ください。 |
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考えられる病名 |
1)子宮頚管無力症
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2)切迫早産
妊娠中の下腹痛の原因で最も多く、下腹部の真中(陰毛の直ぐ上)あたりの鈍痛があります。このような痛みを感じた場合は、まず安静にして症状が治まるのを待ってください。もしも時間が経って下腹痛や出血が悪化する場合は早めに主治医に相談してください。
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3)常位胎盤早期剥離
突然の下腹部痛と持続的な子宮の収縮をおこします。妊娠期間中に正常の位置にある胎盤が胎児が産まれる前に子宮から剥がれてしまう状態をいいます。胎盤が子宮から剥れてしまうことにより胎児は十分な酸素を胎盤から得られず低酸素状態になって生命の危険にさらされ、さらに母体は剥がれた胎盤などの組織因子がが血液中へ流入してDIC注)を起こし非常に危険な状態におちいることがあります。原因は高血圧、外傷、子宮の異常、感染症など多種に及びますが、妊娠高血圧症候群に合併することが多く、一度発症すると短時間に胎児生命を危うくするばかりでなく母体の生命維持のために緊急手術を行う必要があります。
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DIC注)
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4)その他の考えられる病名
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