考えられる状況 |
妊娠22週を境に流産と早産に分類されます(妊娠22週未満を流産、妊娠22週以降を早産)。妊娠初期の腹痛同様この時期も妊娠特有の生理的な腹痛と妊娠に関係のない他の疾患による腹痛があります。さらに妊娠経過とともに母体に対する影響も多くなり母体の原因のみならず子宮内の胎児や胎児付属物(胎盤や羊水など)が原因になることもあります。
子宮筋腫は30歳以上の女性に最も多くみられる良性の腫瘍で約20%の方に有ります.。超音波検査でかなり小さな筋腫まで発見できるようになり、妊婦検診で初めて診断される事もあります。妊娠経過とともに子宮が大きくなると、筋腫は引張られて筋腫自体への血流が悪くなり変性や壊死を起こすことがあり、様々な痛みが起こります。 |
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注意点 |
下腹部の張りや痛みを感じた場合はソファーなどで横になり、薬を処方されている方は主治医の指示通り内服をして安静にしてください。安静にして症状が治まり、再発が無いようであれば特に心配ないと思われますが、何度も繰返すときは必ず主治医に連絡してください。胎動などによる生理的な痛みである場合もありますが、子宮の収縮や痛みが時間の経過とともに増加するときや出血が始まったときなども早めに主治医にご相談ください。 また、子宮筋腫のある部分に胎盤が付着していると常位胎盤早期剥離を起こすことがあり、突然の下腹部痛と出血が起こったときなどは注意が必要です。 |
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考えられる病名 |
1)子宮筋腫
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2)切迫流産や切迫早産
妊娠中の下腹痛の原因で最も多く、下腹部の真中(陰毛の直ぐ上)あたりの鈍痛があります。このような痛みを感じた場合は、まず安静にして症状が治まるのを待ってください。もしも時間が経って下腹痛や出血が悪化する場合は早めに主治医に相談してください。
妊娠22週未満 詳しくは・・→ こちらへ
妊娠22週以降 詳しくは・・→ こちらへ
3)常位胎盤早期剥離
突然の下腹部痛と持続的な子宮の収縮をおこします。妊娠期間中に正常の位置にある胎盤が胎児が産まれる前に子宮から剥がれてしまう状態をいいます。胎盤が子宮から剥れてしまうことにより胎児は十分な酸素を胎盤から得られず低酸素状態になって生命の危険にさらされ、さらに母体は剥がれた胎盤などの組織因子がが血液中へ流入してDIC注)を起こし非常に危険な状態におちいることがあります。原因は高血圧、外傷、子宮の異常、感染症など多種に及びますが、妊娠高血圧症候群に合併することが多く、一度発症すると短時間に胎児生命を危うくするばかりでなく母体の生命維持のために緊急手術を行う必要があります。
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DIC注)
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4)その他の考えられる病名
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