反復流産(習慣流産) |
自然流産は全妊娠の15%で、その内60%が胎児染色体が原因であることは良く知られています。しかし反復流産の場合は母体側にいろいろな原因があるため原因を詳細に調べる必要が有ります。
産婦人科学会では、反復流産(習慣流産)以下のように定義されています。
『連続3回以上の自然流産を習慣流産という。また習慣流産は22週以降の分娩既往のない「原発性習慣流産」と、分娩既往のある「続発性習慣流産」に分類する。』 |
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頻度と原因 |
1回自然流産後の方が次回も流産する確立は15%ですが、2回連続で流産された場合は次回25%、3回連続流産後は次回45%と流産する確立が増加します。しかし1回分娩されている方(健康なお子様)の場合は次回の流産率は約20〜30%とあまり上昇しません。 |
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原因 |
@ ご夫婦の染色体異常
反復流産(習慣流産)の約4〜7%にご夫婦のどちらかに均衡型異常(相互転座・挿入・逆位)、性染色体異常、モザイクなどが認められています。
A 子宮の異常
反復流産(習慣流産)の約10〜15%に先天性子宮奇形や後天的子宮形態異常(中隔子宮、双角子宮、子宮筋腫、子宮粘膜下ポリープ、頚管無力症、子宮内腔癒着)などが認められています。
B 内分泌異常や全身性疾患
反復流産(習慣流産)の約5〜15%に卵巣、甲状腺、副腎、間脳下垂体、糖尿病、心臓病、腎臓病などの異常が指摘されています。
C 感染症
梅毒、クラミジア、マイコプラズマ、トキソプラズマ、ヘルペス、GBS、結核などの感染症が原因となる事も有ります。
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D その他
自己免疫疾患(抗リン脂質抗体症候群、SLE)、母児間免疫異常(遮断抗体産生など)
血液型不適合妊娠(Rh型血液型不適合) |
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治療 |
@ ご夫婦の染色体異常
残念ですが現在のところ、染色体に関する有効な治療法はありません。遺伝カウンセリングにて生児を得ることの出来る確立をご相談下さい。
A 子宮の異常
各種手術療法にて妊娠可能な状態にします。なお頚管無力症の場合は妊娠後子宮頚管を縛る手術を行います。
B 内分泌異常や全身性疾患
薬物療法(ホルモン療法を含む)など内科的治療や外科的手術療法でで全身管理を行う。症状安定し妊娠成立後も治療継続する必要が有ります。
C 感染症
抗生物質など投与して治療します。各種抗体価などをチェックして胎児に影響のないことを確認する必要が有ります。
D その他
抗リン脂質抗体症候群には、低用量アスピリン療法(LDA)、ヘパリン療法など
SLEには、副腎皮質ステロイド投与、、低用量アスピリン療法(LDA)
母児間免疫異常には、夫リンパ球による免疫療法
血液型不適合妊娠には、胎児輸血、早産への誘導、新生児交換輸血 |