考えられる状況 |
羊水はほとんどが赤ちゃんの尿で、その他少量の肺胞から出る分泌液です。また98〜99%水分ですが、1〜2%の電解質、タンパク質、脂質、糖質、胎児から抜けた産毛や剥れ出た胎児由来の細胞などが含まれます。
@子宮の中で赤ちゃんの動きをスムーズにする A外からの衝撃から赤ちゃんを守るクッションの役目 B赤ちゃんの肺の成長を助ける C赤ちゃんの体温の保持をする Dお産のときに、子宮口を広げる
以上が主な役割です。また赤ちゃんは妊娠末期には1日に約750mLもの羊水を飲み込み、1時間に約50mLのおしっこをして3時間弱ですべての羊水が入替わります。 |
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注意点 |
羊水の異常で超音波検査によって診断付くものは、羊水過多症と羊水過少症です。
超音波検査上で羊水過少が確認され、さらに臨床症状が出たものを、羊水過少症といいます。また、羊水量が800ml以上の場合を羊水過多症といいます。全妊娠の0.4〜1.5%ほどです。 |
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羊水過少症の影響 |
胎児の腎臓に何らかの異常や胎盤の機能不全などが原因として考えられます。
母体への影響 妊娠高血圧症候群や胎盤早期剥離などの合併症の増加
胎児への影響 羊水が少ないため子宮壁から直接圧迫されるために四肢の圧迫による変形や発育不全を起こしやすく、さらに胸郭を圧迫されるために十分な肺の伸展や呼吸運動が制限されるために肺形成不全を起こします。またへその緒も子宮壁と胎児自身の間で圧迫を受けて胎児機能不全に陥り胎便吸引症候群などを起こす事があります。
胎児の腎臓の無形成(Potter症候群)や形成不全などが有ると、著明な肺形成不全を伴い胎児の予後が極めて悪い事があります。
羊水過少は胎児循環不全の状態にあることが多く、しばしば子宮内胎児発育不全や胎児仮死を伴うことも有ります。
羊水過少症について詳しくは・・・→ こちらへ |
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羊水過多症の母体の症状 |
妊娠中 羊水が急激に増加するために子宮が過度に伸展され切迫早産が起こりやすくなります。また子宮が過度に大きくなると、肺や心臓を圧迫するために、呼吸困難、動悸、さらに心臓に負担がかかると、浮腫や乏尿などが起こりやすくなります。
分娩中 羊水過多の分娩は、基本的に経膣分娩です。しかし微弱陣痛・弛緩出血・臍帯脱出(赤ちゃんが産まれる前に臍帯が子宮から外に出てしまう)・赤ちゃんの位置の異常・胎盤の早期剥離、など、胎児や母体の生命にかかわる異常がおきやすいです。
羊水過多症について詳しくは・・・→ こちらへ |