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 羊水過多症
羊水の役割 @子宮の中で赤ちゃんの動きをスムーズにする
A外からの衝撃から赤ちゃんを守るクッションの役目
B赤ちゃんの肺の成長を助ける
C赤ちゃんの体温の保持をする
Dお産のときに、子宮口を広げる

以上が主な役割です。また赤ちゃんは妊娠末期には1日に約750mLもの羊水を飲み込み、1時間に約50mLのおしっこをして3時間弱ですべての羊水が入替わります。
羊水量が800ml以上の場合を羊水過多症といいます。全妊娠の0.4〜1.5%ほどです。
 
   
羊水過多の原因
母体の原因 糖尿病
血液型不適合妊娠
胎盤の原因 胎盤血管腫
胎児の原因 胎児の多尿 多胎妊娠  腎臓疾患
嚥下障害 中枢神経系の異常  筋骨格系の異常
染色体の異常 13・18・21番の染色体の異常
消化管の通過障害 消化管の閉塞  胸郭や縦隔の腫瘍やヘルニア
心不全 心疾患  胎児水腫
胎児腫瘍 仙骨奇形腫
髄液や体液などの漏出 中枢神経系の奇形  腹壁の異常
先天性の感染症 梅毒・風疹・トキソプラズマなど
特発性 20〜60%が特発性との報告もあります。
   
羊水過多症の診断 妊娠中に羊水量を正確に測定することは不可能なため、超音波診断によって診断しています。

MVP(羊水ポケット)  超音波プローブを垂直にお母さんのお腹にあてたときに羊水がどのくらいの幅があるかを測定します。8cm以上を羊水過多症とします。

AFI(amniotic fluid index)  お母さんのお腹を4分割し超音波プローブでそれぞれの分割部位の羊水の幅の最大値を測定し、その合計で診断します。25cm以上を羊水過多症とします。
   
母体の症状 妊娠中  羊水が急激に増加するために子宮が過度に伸展され切迫早産が起こりやすくなります。また子宮が過度に大きくなると、肺や心臓を圧迫するために、呼吸困難、動悸、さらに心臓に負担がかかると、浮腫や乏尿などが起こりやすくなります。

分娩中  羊水過多の分娩は、基本的に経膣分娩です。しかし微弱陣痛・弛緩出血・臍帯脱出(赤ちゃんが産まれる前に臍帯が子宮から外に出てしまう)・赤ちゃんの位置の異常・胎盤の早期剥離、など、胎児や母体の生命にかかわる異常がおきやすいです。
   
管理と治療 羊水過多の原因が胎児の致死的なものでない限り、赤ちゃんの治療可能な周産期センターなどの施設で、切迫早産の症状緩和の治療などを行います。

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