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 羊水過少症 
羊水はほとんどが赤ちゃんの尿で、その他少量の肺胞から出る分泌液です。また98〜99%水分ですが、1〜2%の電解質、タンパク質、脂質、糖質、胎児から抜けた産毛や剥れ出た胎児由来の細胞などが含まれます。超音波検査上で羊水過少が確認され、さらに臨床症状が出たものを、羊水過少症といいます。 
   
原因
病状 原因
胎児の腎臓で尿の産生能低下による尿量減少 腎臓の無形成(Potter症候群)
腎臓の形成不全
多のう胞性異型性腎
尿路の閉鎖
胎児の腎臓の血流量減少による尿量減少 双胎間輸血症候群(供血児)
子宮内胎児発育遅延(不全)
胎盤機能不全
過期妊娠(予定日超過)
妊娠高血圧症候群
羊水の流出による 前期破水
その他 母体の脱水
薬剤性 非ステロイド系抗炎症剤 
特発性
   
症状 妊娠週数に比べて子宮が小さい。 
   
羊水過少症の診断 妊娠中に羊水量を正確に測定することは不可能なため、超音波診断によって診断しています。

MVP(羊水ポケット)  超音波プローブを垂直にお母さんのお腹にあてたときに羊水がどのくらいの幅があるかを測定します。2cm以下を羊水過少症とします。

AFI(amniotic fluid index)  お母さんのお腹を4分割し超音波プローブでそれぞれの分割部位の羊水の幅の最大値を測定し、その合計で診断します。5cm以下を羊水過少症とします。 
   
羊水過少症の影響 母体への影響  妊娠高血圧症候群や胎盤早期剥離などの合併症の増加

胎児への影響  羊水が少ないため子宮壁から直接圧迫されるために四肢の圧迫による変形や発育不全を起こしやすく、さらに胸郭を圧迫されるために十分な肺の伸展や呼吸運動が制限されるために肺形成不全を起こします。またへその緒も子宮壁と胎児自身の間で圧迫を受けて胎児機能不全に陥り胎便吸引症候群などを起こす事があります。
胎児の腎臓の無形成(Potter症候群)や形成不全などが有ると、著明な肺形成不全を伴い胎児の予後が極めて悪い事があります。
羊水過少は胎児循環不全の状態にあることが多く、しばしば子宮内胎児発育不全や胎児仮死を伴うことも有ります。
 
   
羊水過少症の治療 根本的な治療方法はありません。
前期破水が原因の場合は、人工羊水を注入して治療する事がありますが、この際には羊水への感染症が問題になることがあります。
 

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