考えられる状況 |
わずかな腹痛を伴い、おりものに少量の血液(血液様物質)が混ざっているときは、しばらく様子をみて良いと思います。下腹部痛はさほど強くなく出血量が増加し始め、わずかな塊が出るときには切迫流産の可能性があります。さらに下腹部痛が強くなり出血量が増え塊が出るような場合は流産が始まった可能性もあります。出血が時間の経過とともに増えるようであれば早めに診察する必要があります。
下腹部痛が無い出血は、胎盤の位置異常、子宮腟部びらん、子宮頚管ポリープなども考えられます。 |
|
|
注意点 |
超音波検査で子宮内に出血を認めた場合を絨毛膜下血腫といい、すでに切迫流産の状態です。血腫の大きさにもよりますが、妊婦健診などで血腫の診断と説明を受けている方は、安静を保って先生の指示に従ってください。しかし健診後に血腫が出来ることもあり、下腹部痛の悪化または赤い出血や塊が出た場合は、焦らず主治医と連絡を取ってください。 |
|
|
考えられる病名 |
1)絨毛膜下血腫
何らかの原因によって胎盤の絨毛膜と脱落膜の間に出血を生じて血腫(血の塊)を生じる状態をいいます。多くの場合不正性器出血で発見されます。厳密には切迫流産や切迫早産と分けて考えられていますが、それらの初発症状であることもあり出血量が増えれば(血腫が増大すれば)流産や早産を起こします。
詳しくは・・→ こちらへ
2)切迫流産〜各種流産
妊娠初期の腹痛の原因で最も多く、下腹部の真中(陰毛の直ぐ上)あたりの鈍痛があります。出血はあっても少量です。このような痛みを感じた場合は、まず安静にして症状が治まるのを待ってください。もしも時間が経って腹痛や出血が悪化する場合は早めに主治医に相談してください。
詳しくは・・→ こちらへ
3)子宮腟部びらん
子宮腟部びらんだけでは痛みを起こすことはありませんが、少量の出血を起こすことがあります。妊娠の生理的な痛みや張りを感じているときに、子宮腟部びらんからの出血が重なっただけかもしれません。
詳しくは・・→ こちらへ
4)子宮頚管ポリープ
子宮腟部びらんと同様にお考えください。子宮頚管ポリープだけでは痛みや張りを起こすことはありません。 |