考えられる状況 |
陣痛の始まりは大変気になるところです。赤ちゃんの大きさや状態、胎盤機能の状態、羊水やさい帯の状態、さらにお母さんの全身状態などいろいろなことが分娩に関与することがあります。
妊婦健診で主治医などから注意事項や指示を受けている方はその指示に従ってください。血圧の高い方、妊娠以前から病気があり注意されている方、胎児に異常を指摘されている方などは、さらに注意が必要です。
出血が子宮の収縮や痛みと共にあるときは、「おしるし」の出血とその他の異常出血を区別する必要があります。赤黒いドロっとした「おりもの」にまじったような出血であれば「おしるし」ですから心配しないでください。
しかし鮮血で生理よりも多い出血が長時間続いたり一度に多量の出血があるときには注意が必要です。
一般的に初産婦さんは、「おしるし」や「陣痛」が始まったからといってあわてる必要はありません。(といっても、のんびりしていいわけでもありません。)ご自分で正確に今の状況判断を行っていただき、主治医へ連絡する必要があります。 |
|
|
状況判断について |
1)予定日は?今日は何週何日?
2)妊婦健診で主治医に分娩に関して注意されたことがあるか?
3)子宮の収縮や痛みが何時に始まり、周期的(何分おき?)か?不規則か?張りや痛みが持続的でおさまることがない?
4)出血があるかどうか?
5)出血があればあればどのような出血か?具体的に生理に比べて多い?少ない?、赤い出血?黒っぽい出血?
6)破水しているかどうか?
7)破水していればどのような破水か?出た「お水」の量は?色は透明か?色が付いているか?
8)陣痛とは異なる、全身症状が感じられる? |
|
|
一般的な状況 |
初産婦さんや経産婦さんでも陣痛が規則になり始めれば、お産の始まりと考えてよいでしょう。通常子宮の収縮や痛みが1時間に6回以上あれば陣痛と診断します。痛みが下腹部のみで腰痛が無ければれば余裕があるはずですから、落着いて行動し状況判断に努めてください。
時間の経過と共に痛みが強くなり間隔が短くなるようであれば、本格的な陣痛です。
一方、弱い陣痛であれば時間が経つにつれて消えてしまうこともあります。特に心配することはありません。前駆陣痛といってよくあり、分娩がさらに近づいた兆候です。
出血に関しても一時的な鮮血の出血があっても時間が経つにつれて量が減ってくればあせる必要もありません。落着いて行動してください。
しかし主治医に内診の結果でお産に関して注意を受けていたり、早産気味で治療を行っていた方などは分娩が急速に進行することもありますから、早めに状況を主治医に連絡してください。 |
|
|
注意を要する状況 |
以下に示す事柄は、緊急を要する状態です。主治医へ連絡をつけてください。
1)主治医から注意されていた症状があるとき
2)鮮血の出血が続き、通常の生理よりも多い (低置胎盤、前置胎盤などの疑い)
3)頭がボーっとする、頭痛やケイレンがあるとき (子癇前兆:しかんぜんちょう、重症妊娠高血圧症候群などの疑い)
4)子宮の収縮と痛みが持続的で、鮮血の出血があるとき (常位胎盤早期剥離の疑い)
5)破水後に腟から「ひも」の様なものが出てきた、赤ちゃんの手や足が出てきた (さい帯脱出、上肢や下肢脱出などの疑い) |
|
|
関連事項 |
正常分娩(「おしるし」も含む)とは?・・・→ こちらへ
破水(前期破水)とは?・・・→ こちらへ
前置胎盤とは?・・・→ こちらへ
妊娠高血圧症候群とは?・・・→ こちらへ
常位胎盤早期剥離とは?・・・→ こちらへ
子癇(子癇前兆)とは?・・・→ こちらへ
さい帯脱出とは?・・・→ こちらへ |