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超音波検査で異常を指摘された
胎児の異常
胎児が妊娠週数の標準よりも小さいといわれた

考えられる状況 子宮内胎児発育遅延(intrauterine growth restriction : IUGR)とは、妊娠週数相当の標準発育に比べて、遺伝的な体格を考慮したうえで胎児が本来発育すべき体格にならずに、平均に比べて小さい場合をいいます。また子宮内胎児発育遅延(intrauterine growth restriction : IUGR)という概念は、体重の軽い新生児(light for dates : LFD)を予防するために、妊娠中の胎児管理をするために作られました。したがって妊娠中のIUGR児は出生後はLFD児とよばれます。(低出生体重児とは出生時の体重が2500g未満の場合に用いられます。)  
   
分類と頻度 タイプT  均衡型(胎児発育不全) (symmetrical IUGR)     妊娠初期に問題のあるもの
タイプU  不均衡型(胎児栄養失調)(asymmetrical IUGR) 妊娠後半以降に発達遅延があるもの

全妊娠の10%前後でほとんどの発育遅延はタイプUIUGRの母体側に原因のあるものです。
内訳は、タイプTIUGR 10〜20%、タイプUIUGR 80〜90%になります。
 
   
妊娠管理と治療 お母さんの合併症などの病因があるときには、当然この治療を優先します。抗リン脂質抗体症候群などによる不育症が原因と分かっていればヘパリン療法などの治療が行えますが、ほとんどの子宮内(胎児)発育遅延は原因が多種多様で妊娠中の母体内治療の有用性が証明されていないために、現在では、胎児にとって適切なタイミングで分娩にする時期を決めている状態です。
さらに分娩方法は、正常な大きさの胎児に比べてIUGRの胎児は小さいために分娩に対する予備能力も低下しています。経腟分娩を選択しても、突然予備能力の低下から陣痛に耐えられなくなり緊急帝王切開術になることもあります。そのため高度のIUGRや骨盤位(逆子)などでは、始めから予定を組んで選択的帝王切開術を行うこともあります。一方、染色体の異常が診断されている場合や、予後不良な病気の診断がされている場合などでは、ご家族と相談した上で分娩時期や分娩様式を決めることもあります。
 
   
分娩後の予後 子宮内胎児発育遅延の原因は胎児因子・胎盤因子・母体因子の3つに分類されますが、均衡型の場合は胎児自身の発育阻害因子が原因のため予後不良な場合が多いようです。それに比べ不均衡型では発育阻害因子が胎盤などの血流障害が原因のため予後は比較的良好なことが多いようです。しかし胎児因子・胎盤因子・母体因子が混在している場合や妊娠中期〜末期にかけての子宮内胎児発育遅延では原因不明のことも多くあります。
また、LFD児全体の予後は、低体温・低血糖・低カルシウム血症・多血症などに陥りやすく、満期産の正常児に比べて周産期死亡率が約8倍高く、精神発達遅滞の発症率も高いといわれています。


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