考えられる状況 |
赤ちゃんの頭の大きさがお母さんの骨盤の大きさに比べて大きいため分娩に支障をきたす場合をいいます。頻度は、妊婦さんの4〜6%といわれ、特に低身長のお母さんに多く認められます。身長が130cm 以下では約50%、140cm 以下では約10%の確立といわれ、さらに身長145cm 以下では注意が必要であるといわれています。 |
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分娩時に起こりうること |
赤ちゃんの頭がお母さんの骨盤に比べて大きいために、分娩が進行しない状態です。最大の危険はお母さんの子宮破裂と赤ちゃんが胎児仮死から死亡に至る可能性があることです。骨盤の入口付近で起こる場合 陣痛が始まり破水して子宮口が完全に開いた状態でも赤ちゃんが骨盤の中に入り込まないときには疑います。骨盤の出口付近で起こる場合 分娩の進行中にある程度赤ちゃんが骨盤の中に入り、さらに有効な陣痛にもかかわらず1〜2
時間以上分娩の進行が認められなくなった状態。この時赤ちゃんの頭には産瘤と骨重積が出来ます。しかし骨盤の入口付近や出口付近で分娩が停止しても、陣痛の強さ、お母さんの疲労状態、赤ちゃんの頭の応形機能(頭の形を骨盤に合わせる機能)などの問題もあるため、一概に児頭骨盤不均衡だと診断出来ないこともあります。 |
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治療 |
骨盤そのものを拡大する方法はありません。確実に児頭骨盤不均衡と診断が付いている場合は、帝王切開術を選択します。しかし臨床的には(特に初産のお母さん)始めから児頭骨盤不均衡と診断することが難しく、帝王切開術の準備をおこないながら試験的に経腟分娩を行い、分娩停止などが発生した時点で帝王切開術に切り替えることが普通です。分娩経過中の症状からあとで児頭骨盤不均衡という診断をつけることも少なくありません。
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