妊娠と思ったら |
妊娠とは・・ |
「卵子と精子が結合してできた受精卵が子宮内膜に着床して発育した胎芽あるいは胎児および胎児付属物体内を体内に保有する状態」をいいます。 妊娠を考えるのは、月経が予定から遅れた時が(以後無月経と呼びます)一番多いのではないでしょうか。しかし、無月経だからといって必ずしも妊娠とは言い切れません。そこで無月経になった時に考えられることを後述してみます。 |
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妊娠以外の無月経 |
@ 産後授乳している時
A ホルモン異常 → 卵巣性・下垂間脳系体(脳)など
B 極度の体重減少 → 極度のダイエット
C 心身のストレス
D 内科的疾患 → 甲状腺機能障害・糖尿病など
E 薬剤性 → 副腎皮質ホルモンなど
F 早発閉経 → 35才以前の自然閉経 |
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【排卵までの卵巣内での卵子の発育】 |
卵巣の中で、卵母細胞が分裂を繰り返して成熟した卵子を作り、排卵します。
原始卵胞 各月経周期ごとに卵胞形成ホルモン(FSH)の刺激を受けて発育を開始します。卵巣の中にたくさん有る原始卵胞がどのように選択されるかについてはいまだに不明な点がたくさん有ります。
成熟中の卵胞 卵胞細胞が増殖して顆粒膜細胞層などを形成して女性ホルモンを産生します。このホルモンが子宮内膜に作用して妊娠可能な子宮内膜環境を作り上げます。
胞状卵胞 卵胞内に卵胞液が産生されて卵胞腔が形成されます。
グラーフ卵胞 成熟卵胞のことを意味しています。成熟の最終段階まで達すると直径が2cm程になります。
排卵 卵胞細胞の発育に伴い顆粒膜細胞からエストロジェンという女性ホルモンが分泌され分泌量がピークを迎えると、脳の間脳下垂体系がそれを察知してLHというホルモンを分泌して排卵を促します。
黄体 排卵後の顆粒膜細胞などの卵胞細胞が黄色をした黄体化細胞に変化することから「黄体」と名づけられました。黄体は活発に女性ホルモンを分泌し、子宮内膜に作用して妊娠(着床)可能な状態に変化させます。黄体の寿命は2週間ほどです。その間に妊娠しないと月経黄体に変化してやがて白体となり消失してしまいます。妊娠が成立した場合には「妊娠黄体」となって妊娠継続に重要な女性ホルモンを分泌し続けます。妊娠黄体は、妊娠3〜4ヶ月まで持続しますがそれ以降のホルモン分泌は胎盤が行います。 |
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正常妊娠 |
実際妊娠変化が女性の体内で始まるのは妊娠2週頃からです。この時期に卵巣から排卵された卵子は卵管のなかへ吸い込まれていきます。同時に性交によって腟内に排出された精子は子宮口→子宮内→卵管へと移動し、卵管膨大部という部分で卵子の中へ精子が入り込んで受精が完了します。受精卵は細胞分裂を繰り返しながら卵管の中を子宮方向に移動し、受精後7日目になると子宮内膜へ着床します。しかし何らかの理由で受精卵が卵管内の移動を妨げられその場で発育してしまった状態が子宮外妊娠です。着床から分娩まで順調に経過した場合を正常妊娠といいます。 |
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排卵された卵子は、卵管の卵管采(らんかんさい)という部分から卵管の中へ入り子宮に向けて吸い込まれて行きます。このときに性交により精子が膣内に射精されていると、精子は子宮口から子宮内に入り子宮内腔を通り卵管に入り込んで卵管膨大部で受精します。受精により卵子は受精卵へと変化し細胞分裂を始めます。
排卵された卵子の受精能力は12時間前後と言われています。 |
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@A排卵後12時間以内に受精卵になると細胞分裂の準備が始まります。
B受精後受精卵は分裂を開始して約30時間で2つに分かれます。
C受精後約40時間で細胞は4つになり卵管内を子宮に向かって移動します。
DE受精後3日目で、細胞数は12〜16個になり「桑実胚」と呼ばれます。この時期の細胞で中心付近にある細胞が胎児へと変化し、外部にある細胞が胎盤などに変化していきます。
またこの時期に卵管から子宮の中へ移動します。
F着床の準備状態に入ります。
G子宮内膜へ着床して成長を続けます。 |
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子宮外妊娠 |
子宮内以外に妊娠した場合をいい、頻度は全妊娠の0.5〜1%にみられます。 妊娠初期は正常妊娠と自覚的には変わりありませんが、正常でない場所に妊娠したものが流産したり、卵管が破裂したりすると急激に下腹痛(ものすごく痛い)が出現し、意識がなくなるなどのショック症状が現れ、緊急手術を要することがあります |
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着床出血 |
日本産婦人科学会の用語集にはこの言葉はありません。Implantation bleedingという英語を訳すと着床出血になります。
出血の原因は未だに解明されていませんが、この出血と流産は無関係であるといわれています。 |
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心配事 |
★妊娠と気づかず薬を飲んでしまった。→こちらへ
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