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妊娠中のレントゲン被爆

妊婦健診時(特に初診時)によくある質問に、「健康診断で胸部レントゲンを撮ってしまったが大丈夫か?」があります。
実際レントゲン撮影は胎児に対してどれほど危険なのでしょうか?
 
   
レントゲンの単位について 日本では放射線の吸収線量の単位(単位当りの物質が放射線を吸収し発生したエネルギー)としてラドrad が用いられていましたがこの単位は国際単位系に採用されず、1989年(平成元年)4月の国際単位系への切り替え以降使われなくなり、代わって国際単位系で用いられるグレイ Gy で表すようになりました。(1グレイ = 100ラドに相当します。) 
   
国際放射線防護委員会の見解 時代とともに変わってきました。
1962年の見解
生殖可能な女性の下腹部や骨盤内を含むレントゲン検査は月経開始後10日以内に限って行う。

1983年の見解 
月経開始4週間以内の胎児の放射線リスクは特別な制限を必要としないほど小さいようである。危険な胎児被ばく線量を以下に示します。
  1)受胎後1日  奇形の発生なし
  2)14〜28日   250mGy
  3)28〜50日   500mGy
  4)50日以後   500mGy以上

1990年の見解(現在の見解)
危険な胎児被ばく線量を以下に示します。
  1)2週間以内(胚死)      100mGy
  2)7週間以内(奇形)      100mGy
  3)8〜15週(精神発達遅滞) 100〜200mGy
 
   
母体レントゲン撮影時の胎児被ばく線量
検査 胎児被ばく量(単位はmGy)
被ばく量の範囲 被ばく量の平均
胸部撮影 <0.01 <0.01
腹部撮影 0.26〜15.0 2.9
腰椎撮影(前後) 0.31〜40.0 7.5
腰椎撮影(側面) 0.09〜3.5 0.91
腰椎撮影 0.61〜2.0 1.3
骨盤撮影 1.4〜15.0 3.4
尿路造影 2.9〜6.8 4.8
膀胱造影 0.56〜11.0 3.9
注腸造影 0.3〜10.4 6.1
上部消化管造影 0.1〜2.3 1.5
肺CT 1.0〜1.4 1.2
腰椎CT 2.8
肝臓CT 2.0〜4.4 3.6
骨盤CT 65.0〜114.0 89.0
   
レントゲン撮影が胎児に及ぼす影響 胸部レントゲン撮影を例にとって見ると、胎児の被ばく量は0.01mGy以下で、危険な被ばく量は100mGy以上であることから、
100÷0.01=10000 10000枚の撮影をしても問題ないことになります。ただ、骨盤CTだけが胎児被ばく量が多いために影響が出る可能性があるかもしれません。
レントゲン撮影も薬剤同様に、着床以前ではAll or Noneと考えられるので胎児に異常を起こす可能性はほとんど無いですが、器官形成期に奇形が起こる可能性はあります(可能性は非常に少ないですが・・)。
 
   
MRI検査(磁気共鳴画像検査)が胎児に及ぼす影響 胎児や新生児に対する安全性は、確立されていません。しかし最近の研究報告では胎児に対する明らかな影響は認められないというものがほとんどです。 
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