妊娠中のお仕事 |
職業をもつ妊婦さんの関心事は、いつまで仕事を続けられるか?赤ちゃんは大丈夫か?などさまざまです。しかし妊婦さんによって体力、通勤時間、仕事内容、妊娠状態、持病などそれぞれが異なり一概に決めることができないのが現状です。 |
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日常生活について |
日常生活を大きく変える必要はありませんが、家事も重労働なことが多く仕事で疲れた上に妊娠以前同様に行うと身体への負担増となります。できるだけご主人様の協力を仰ぎ休息時間を取れるように配慮してください。 |
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一般的な注意事項 |
妊娠以前から就いている仕事で、内容も熟知して肉体的・精神的に苦痛を感じない程度の仕事であれば差し支えないとされています。また少しの苦痛であっても自己の判断で仕事内容などを変更あるいは軽減できれば問題ないと思われます。
しかし、都市部の仕事であっても長時間にわたる仕事、腹圧をかける仕事、からだを使う労働、農山漁村の労働などは禁止または仕事内容を変える必要があるとされています。長時間の立ち仕事や重い荷物の運搬などに携わっている方は早めに配置転換などを申し出ることをお勧めします。 |
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妊娠経過から診た注意事項 |
妊娠時期にかかわらず、妊娠以前から持病がある場合や経産婦さんで以前の妊娠中に異常を指摘された場合には主治医と相談する必要があります。
仕事中に、下腹部、腰、足などに違和感や痛みなどがあるときには早期に休息をとり症状の緩和を図り主治医の診察を受けるようにしてください。さらに仕事中に子宮の収縮や痛み、出血、腰痛、以前に増した疲労感などがあるときには早退を含め早めに診察を受けてください。 |
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労働基準法から |
★妊婦本人が請求して認められるもの
@産前休業 妊婦は産前6週間の休業を請求できる。多胎妊娠(双子以上)では14週間の休業
A妊産婦の軽易業務転換
B妊産婦の時間外労働、休日労働、深夜業務の制限
C育児休業 事業主へ請求することで1才未満の子を養育するための休業が父母ともに認められる
D育児時間 生後1年に達しない生児を育てる女子は1日2回少なくとも30分の育児時間を請求できる
★事業主の義務とされているもの
@産後休業 産後8週間は就業させてはならない。本人の希望があれば6週間に短縮できる。
A妊産婦の有害危険業務の就業制限(免除)
注)上記の休業中は、いずれも無給となります。 |
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ひと言 |
いずれにせよ、妊娠とお仕事を両立することは非常に大変なことです。お仕事で出張などされる場合は十分に余裕を持ったスケジュールをたててください。
妊娠が分かったら、仕事量は1ヶ月に1割程度減らしていくようにしましょう。
まだ大丈夫は禁物です。妊娠中の異常、特に切迫流産、切迫早産や妊娠高血圧症候群などは症状が悪化することはあっても、元へは戻りません。
我々産科医は、妊婦さんのお仕事が大切なことの十分承知していますが、お腹の中にいる赤ちゃんを守れるのは我々医師ではなくお母様しかいないことをお忘れなく!! |