静脈血栓症 |
妊娠中は非妊娠時に比べて血液が固まりやすい状態にあり、さらに子宮が大きくなると下大静脈や骨盤内の静脈が圧迫されるため骨盤内〜両下肢にかけての静脈内の血液が流れにくくなります。この状態は長時間立っていたり仰向けで寝たりすると増強されます。静脈内の血液の流れが悪くなると静脈内で血液が固まり(血栓症)血管が細くなったり詰ってしまいます。また妊娠経過に伴って血栓症が起こらなくても大きくなった子宮に圧迫されるために静脈の流れが悪くなるために静脈内の圧力(静脈圧)は、妊娠初期に比べ妊娠後期になると約3倍高くなるといわれています。 |
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静脈血栓症の
種類 |
★表在性静脈血栓症 皮ふの直下(表在性)に青く膨らんで触るとコリコリしている静脈瘤に過度の血流障害が起こると血液が固まり血栓症になることがあります。
★深部静脈血栓症 妊娠中の血液は過凝固状態(血液が固まりやすい)で静脈内の血液が流れにくく、下肢の腓腹筋内(ふくらはぎ)の静脈に血栓を生じることがあります。 |
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症状 |
★表在性静脈血栓症 静脈瘤は血管が膨らんで浮き出ているように見え、時にはコリコリと硬くなっていることがあります。この部分に血栓症を生じると赤く腫れあがり熱を持ち押すと痛みを感じます。表在性静脈血栓症が深部静脈血栓症に進展することはあまりありません。
★深部静脈血栓症 表在性のように皮ふ表面から直接見えることは無く、ふくらはぎの違和感から始まり、むくみ、はれ、発赤、最終的に強い痛みがおこります。特徴的な症状はHomans徴候(左足首を前後に動かすと後ろにそらしたときにふくらはぎが痛い)やLowenbrerg徴候(血圧計をふくらはぎに巻いて加圧すると痛い)などがあります。また深部静脈内の血栓(血液の固まり)がはがれて静脈内を流れ、他の部位に詰まってしまうこともあります(血栓塞栓症)。特に分娩時、帝王切開術後、産褥期には深部静脈血栓症が原因で血栓が血流に流され肺の血管を詰まらせる「肺血栓塞栓症」は致命的な状況におちいることがあります。
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