HOME  症状  検査  妊娠週数  分娩経過  産後経過  新生児  さくいん  

Presented by Kitramura-Hosp.com


症状 よくある質問 検査結果 妊娠週数 分娩経過 産後経過 新生児  さくいん おすすめ商品

,妊娠による変化

妊娠によって母体(お母さんのからだ)は、さまざまな変化をきたします。妊娠の維持、子宮の増大などについて説明いたします。 
   
妊娠維持機能

現在、女性が妊娠すると胎児を子宮の中で成長させるために妊娠状態を維持するように変化が起こります。この状態を妊娠維持機能といい、女性ホルモン(内分泌系)と、胎児を他人(異物)と判断しないために免疫系の変化が起こります。

★内分泌の変化 (性ステロイドホルモン) 
妊娠を維持するためのホルモンは、主に卵巣と胎盤で作られます。非妊娠時は周期的に女性ホルモンの分泌が起こるために月経が起こりますが、妊娠すると妊娠維持のために胎盤から女性ホルモン分泌され月経が止まります。
さらに胎盤のみで作られる妊娠性ホルモンが分泌され妊娠維持や胎児発育を促進します

 ホルモン  妊娠中の主な産生部位  働き
 エストロゲン  エストラジオール  妊娠初期:卵巣
(妊娠黄体)
 妊娠7週以降:胎盤 
  妊娠維持、頚管熟化 
 エストリオール  胎盤
 プロゲステロン  妊娠初期:卵巣
(妊娠黄体)
 妊娠7週以降:胎盤 
  妊娠維持
 ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)  胎盤   卵巣(妊娠黄体)での
 プロゲステロン産生の促進
 ヒト胎盤性ラクトーゲン(hPL)  胎盤   胎児の発育の促進

★免疫系の変化
お母さんのからだにとっては赤ちゃんは半分はお母さんと同じ遺伝子ですが、残りの半分はお父さんの遺伝子を受け継いでいるために、免疫学的には非自己(異物)となり、本来であれば免疫系からの攻撃を受けるはずです。しかし現実的にはこの攻撃を受けずに赤ちゃんは母体に守られて成長します。なぜ?攻撃を免れているのかは現在の医学では解明されておらず、いくつかの仮説にとどまっています。
 1)免疫抑制説 胎盤の細胞が父親由来の遺伝情報を隠すか、または人類共通の遺伝情報に置き換えて、免疫担当細胞(キラーT細胞やナチュラルキラー細胞)からの攻撃を免れる。

 2)免疫調節説 胎盤などから作られるサイトカインという物質が免疫担当細胞の障害を弱めている。

   
子宮の変化

★妊娠による子宮の大きさの変化

   妊娠初期    妊娠末期
 大きさ  7cm前後  約5倍  36cm前後
 重さ(胎児を除く)  60〜70g  約15倍  1000g
 容積  10ml  500〜1000倍  5000ml
 胎盤の血液量  極少量    450〜650ml
 位置  骨盤内の
中央
  やや右に傾き左側が前になるように
少しねじれます
   
   
  ★妊娠による子宮の形態の変化

妊娠すると子宮は非妊娠時と異なり大きさだけでなく形も変わってきます。
 
妊娠初期は、受精卵が子宮に着床するとその部分が非常に柔らかくなり膨らみ始めます。
非妊娠時はほぼ左右対称であったものが着床部位が柔らかく膨らみ始めて左右非対称になります。
この変化をピスカチェック徴候といいます。
   
 


1) 妊娠初期の子宮の増大は、子宮体部のみが大きくなり、子宮頚管(解剖学的子宮口から下)は閉じていますが、体部の増大にともなって長くなります。

2) 妊娠中期になると延長した子宮峡部(解剖学的子宮口と組織学的子宮口の間)はやわらかくなり子宮体部と同様に胎児の成長に合わせて広がり始めます。

3) 妊娠後期になると子宮峡部は完全に子宮体部と一体になり胎児を包み込みます。

4) 妊娠満期になると、組織学的子宮口がやわらかくなり開き始め、胎児(児頭)は下降してきます。
 
 Copyright (C) 2009.internethospital. All Rights Reserved.