梅毒トレポネーマの感染により引き起こされる全身性の性感染症です。妊娠が確定したお母様は、全員検査します。
梅毒血清反応(STS)と、トレポネーマ抗原受身赤血球凝集反応(TPHA)という検査を施行し、結果は下の表のように判断します。 |
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検査結果 |
型 |
T |
U |
V |
W |
STS |
陰性 |
陽性 |
陽性 |
陰性 |
TPHA |
陰性 |
陰性 |
陽性 |
陽性 |
判定 |
非感染
感染後4週以内 |
生物学的偽陽性
初期感染 |
早期〜晩期感染者
治療後抗体保有者 |
晩期梅毒
きわめて稀 |
方針 |
初期感染ならば
再検査 |
感染が確認されたら、再検査および治療 |
症状あれば
再検査
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生物学的偽陽性は、正常妊娠女性の0.72%ほど認められます。この場合は更に精密検査を行い、感染の有無を確定します。
その他は・・膠原病・細菌やウイルス感染・進行癌・頻回の輸血既往などでも認められます。 |
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梅毒の妊娠に与える影響 |
梅毒トレポネーマは、胎盤を通過して胎児に感染します。症状を発生する時期で区別します。
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発症時期 |
発病と全身状態 |
胎児梅毒 |
胎児期 |
流産・早産・子宮内胎児発育不全
子宮内胎児死亡・小頭症・皮膚症状 |
早発性先天梅毒 |
出生後〜 |
2歳位まで 対称性の骨軟骨炎・骨膜炎・骨髄炎
皮膚症状・中枢神経症状など |
遅発性先天梅毒 |
2歳〜 |
思春期まで Hutchinson三徴候など
(上顎の切歯の異常、実質性角膜炎、内耳性難聴) |
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治療 |
ペニシリンなどの抗生物質を1〜2ヶ月間内服していただきます。妊娠中に適切な治療を行った母親から産まれた赤ちゃんへは、経過観察は必要ですが、無意味な治療は必要ありません。 |