胎動 |
経産婦さんで妊娠19週、初産婦さんでも妊娠20週頃になると下腹あたりでポコポコと赤ちゃんの動きを感じるようになります。これが胎動です。以前はこの胎動が胎児の生存兆候として非常に重要なものであるとされてきましたが、最近は超音波検査が発達してきたために胎児の行動パターンまで詳しく調べられるようになりました。しかしお母さんにとって胎動を感じることはこの上もなく幸せな一瞬であることには代わりがないと思います。胎児は妊娠後半になると行動パターンを確立して1時間に約30回の大きな運動を行いその70〜80%をお母さんは胎動として感じます。胎動の種類は、手足や体全体を動かす・呼吸運動・しゃっくりなどがあり、単発の動きや規則的なケイレンに似た動きなどがあります。また胎児は20〜40分周期で寝たり起きたりしています。ときには最大75分ほど寝ていることもあります。臨床上起きている時間を活動期、寝ている時間を静止期と呼んでいます。また個人が差ありますが、骨盤位(逆子)の赤ちゃんは、子宮の下のほう(恥骨辺り)で胎動を感じることが多いようです。
妊娠35〜36週で早産気味で胎児が骨盤内に下がってきていると胎動が減少することもありますが、胎児にとっては危険はありませんが早産という観点からは危険な状態です。 |
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注意点 |
胎児が動かない
妊娠20週以前の方は、常時胎動を感じなくても心配ないと思います。あせらず赤ちゃんの発育を待ちましょう。
妊娠20週以降で、突然胎動を感じなくなったときには、あせらず安静にして胎動を感じるまで待ってみましょう。赤ちゃんが熟睡しているだけかもしれません。また子宮が収縮していると胎動を感じにくくなることもあります。半日以上胎動を感じなくなったときには、胎児の状況だけでなく子宮収縮の可能性もあるため一度主治医に診察を受けてください。
赤ちゃんがケイレンしているように感じる
赤ちゃんがケイレンしているように感じるときは、しゃっくりをしている場合が多く呼吸運動の一部と考えてください。胎児は規則正しい運動をつかさどる小脳などの発育が不十分なため、手足をケイレン様に動かす場合もあります。 |
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胎動カウント法 |
お母さんが簡単に胎児のwell-beingを観察する方法としてよく用いられています。自宅で比較的に安静を保てる状態で胎動がもっとも増加するといわれている午後7時〜11時までの間に、胎動を10回感じるまでに要した時間を計ります。(平均20分前後です。)2時間以上たっても10回に達しない場合は異常とします。しかしこの方法はあくまでもお母さんの主観が入ってしまうため自宅での簡易検査法であり異常かどうかは、以下に示す評価法によって診断すべきです。
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