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 胎児の回旋異常(かいせんいじょう) 
 ちょっと理解しにくい言葉だと思います。辞書によると回旋とは「くるくる回ること。くるりと回すこと。旋回。」和英辞典では〔それ自体の回転=rotation〕、〔軸を中心とした回転=revolution〕とあります。分娩の時期によって、赤ちゃんは産道をくぐりやすいように少しずつ身体を回転させ(rotationであったりrevolutionであったりします)ながら向きを変え産道の中へ進入していきます。これら一連の動作を回旋と呼びます。分娩中にこの回旋が順調に進まないと赤ちゃんは産道の途中で止まってしまいます。 
   
胎児の回旋について 赤ちゃんは分娩が始まると順序良く身体を動かして(回旋して)産道の中に入り、狭い産道というトンネルをくぐって出てきます。赤ちゃんはこの間に4回の回旋をおこないます。
回旋の前
赤ちゃんはお母さんのお腹の子宮の中で、横向きに入っています。

第1回旋
赤ちゃんが骨盤の中へ入るための準備の回旋です(revolution)。あごを中心に頭を前に動かします。赤ちゃんが自分のおへそを見るような動きです。これによって赤ちゃんは自分の後頭部からお母さんの骨盤に入り込むような形を(姿勢、胎勢)になります。

第2回旋
次に赤ちゃんはお母さんの骨盤の一番広い濶部(かつぶ)という部分に進むと、身体全体を回転させて(rotation)お母さんの背中を見るような向きになります。(お母さんが仰向けで赤ちゃんがうつぶせ)

第3回旋
赤ちゃんの頭がお母さんから出てくるときの動きです。赤ちゃんに初めて逢えますよ!・・といっても赤ちゃんの身体はまだお母さんの中です。赤ちゃんの頭は今まで自分のおへそを見るような姿勢でしたが、ここで「ヨイッショ!」と赤ちゃんは頭を持ち上げて天井を見るような動きをします(
revolution)。

第4回旋
ついに赤ちゃんの身体がお母さんから出てくるときの動きです。第2回旋の逆の動きをします(
rotation)。うつぶせだった赤ちゃんは、再度横を向くように回転しながら肩が片方づつ出てきます。待ちに待った、赤ちゃんとご対面です。 
   
   
回旋異常の原因 原因は、さまざままことが考えられますが、大きく分けるとお母さん側と赤ちゃん側にそれぞれ原因があるといわれています。
 
母体の原因 子宮の異常 奇形
子宮筋腫
胎盤の異常 前置胎盤
低置胎盤
骨盤の異常 狭骨盤
胎児の原因 胎児の大きさ 早産
子宮内胎児発育遅延
胎児の数 双胎妊娠
多胎妊娠
羊水の量 羊水過多
羊水過少
胎児の奇形 水頭症
無脳児
   
回旋前の異常 分娩の始まる前の赤ちゃんの姿勢がどうなっているかで、正常では赤ちゃんの頭は下にあります(時計でいうと6時の位置)。頭が上にある場合は「骨盤位(逆子)」(時計でいうと12時の位置)、横にある場合は「横位」(時計でいうと1時〜5時または7時〜11時の位置)。このような分娩の始まる前の赤ちゃんの姿勢の異常を「胎位の異常」といいます。骨盤位(逆子)の場合は分娩の始まる前に矯正することもありますが、最近は自然に様子を見て治らない場合には分娩の始まる前に経腟分娩か帝王切開術かを選択することが多いようです。横位の場合は通常帝王切開術を選択します。 
   
第1回旋の異常 第1回旋は、先にも述べたように赤ちゃんが骨盤に入るために、あごを引く(自分のおへそを見るように・・)運動ですが、第3回旋のように天井を見るようになってしまう場合があります。このような異常を「胎児の胎勢の異常」、「反屈位(はんくつい)」といいます。正常では赤ちゃんは後頭部から骨盤の中に入ってきますが、逆に上を向いてしまうためにその角度によって、「頭頂部(頭のてっぺん)」、「おでこ」、「顔」からお母さんの骨盤の中に入ろうとしてしまいます。このため分娩がスムーズに進まなくなり遷延分娩や分娩停止状態になってしまいます。
このような状態になる頻度は全分娩の2%程度といわれています。頭頂部(頭のてっぺん)から進んでしまった場合は、経腟分娩可能な場合もありますが「おでこ」や「顔」から骨盤の中に入ってしまった場合は、帝王切開術が選択されます。
 
   
   正常な第1回旋             反屈位     
   
第2回旋の異常 第2回旋は、赤ちゃんが身体全体を回転させて(rotation)お母さんの背中を見るような向き(お母さんが仰向けで赤ちゃんがうつぶせ)になりますが、ここでの異常は、上手く回転しない状態と、赤ちゃんが逆の回転をしてしまう状態です( お母さんも赤ちゃんも仰向け)。この状態で分娩が進行してしまうと、次に骨盤の一番狭い部分(骨盤峡部)で上手く下がることができず引っ掛かってしまいます。この場合赤ちゃんの全身状態や大きさなどの問題もありますが、吸引分娩などを試して上手く誘導できない場合は帝王切開術を行います。 
   
第3〜第4回旋 ここまでくれば、大丈夫!!回旋異常は、ほとんどありません!!赤ちゃんと「ご対面」です!! 

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