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 葉酸について
 葉酸は、DNA合成に必要な水溶性のビタミンで、妊娠初期の胎児の発育に欠かせないものです。妊娠初期の葉酸不足と胎児の神経管閉鎖障害(Neural Tube Defects : NTDs)の関係が指摘されて、ヨーロッパ7カ国やアメリカなどで研究されました。その内容は、過去にNTDsの分娩既往のある母親に妊娠前から葉酸を1日4r服用させると再発率が72%減少したということでした。 
   
神経管閉鎖障害 神経管閉鎖障害は、先天的に脳や脊椎に発生する癒合不全のことをいい、無脳症、脳瘤、二分脊椎などがあります。日本国内の発症率はやや増加傾向にありますが、それでも白人諸国より頻度は少ないと報告され、発症に人種差があるとされています。発症原因は多因子で、葉酸摂取のみで予防できるものではありません。 
   
葉酸の摂取について ★アメリカ疾病管理センターの勧告(1992年)
さまざまな根拠は、1日0.4mgの葉酸摂取が神経管閉鎖障害の発症数を減少させることを示している。神経管閉鎖障害とそれに伴う障害の発症を減少させるため、米国公衆衛生局は以下の勧告を行う。
「米国における、すべての妊娠可能な生殖年齢にある女性は二分脊椎や他の神経管閉鎖障害の発症を減少させるため1日0.4mgの葉酸を摂取すべきである。高用量の葉酸摂取はビタミンB12欠乏の診断を困難にするので、医師の管理下にある場合を除き、葉酸摂取量は1日1mgを越えるべきではない。過去に神経管閉鎖障害児の妊娠既往歴のある女性は神経管閉鎖障害の再発が高リスクでおこるため、妊娠を計画する時には医師に相談するべきである。」
上記のようにアメリカ疾病管理センターでは葉酸摂取を推奨しています。しかし日本独自の疫学的根拠はまだ示されていません。

★葉酸の服用について
正常な胎児の神経管閉鎖は妊娠6〜7週で完成します。したがって妊娠に気付いてから葉酸を飲み始めても間に合わず、妊娠1ヶ月前からの服用が必要です。葉酸自体の副作用はほとんど無く継続して服用しても問題はありません。最近の研究で、妊娠中の継続した服用が早産、胎児発育遅延、常位胎盤早期剥離、妊娠高血圧症候群などのリスクが軽減する可能性が指摘されています。

★服用量について
通常1日0.4rを少なくとも妊娠1ヶ月前から摂取する。過去に神経管閉鎖障害の既往がある女性は、妊娠前より医師の管理下で1日4〜5r摂取することで次回の妊娠時に神経管閉鎖障害を軽減することが期待されます。医師の管理下以外で1日1r以上内服しないようにしてください。過剰に摂取するとビタミンB12欠乏症の診断を困難にします。また総合ビタミン剤などで葉酸を摂取しようとすると催奇形性のあるビタミンAなどの過剰摂取を起こすことがあるため、葉酸単剤で摂取してください。

★妊娠中の服用で胎児に及ぼす影響について
妊娠前の摂取は神経管閉鎖障害発症リスクを低減させますが、妊娠中に葉酸を過度に摂取すると生後1.5〜3.5才児で喘息や呼吸器感染がわずかに増加すると報告されています。ご注意下さい。
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