胎児の両側頚部〜後頭部に生じるリンパ管の形成異常です。
妊娠13週頃から頚部の前方に出来る直径5mm前後の単のう胞(1つだけののう胞)は、比較的予後がよく妊娠16週頃には自然に消失してしまいます。染色体の異常や他の奇形の合併率も低く(5〜15%)経過観察することもあります。
一方、妊娠9週頃から後頚部にいくつもの大きいのう胞を形成する場合は、染色体の異常(70%以上の確立でDown 症など)や胎児浮腫(40%前後)、その他の異常(心臓や腎臓)を合併することが多く、予後不良なことが多いと言われています。特に胎児浮腫(腹水や胸水)を伴う場合は染色体異常の可能性が非常に高くなります。羊水染色体検査をする必要があります。
妊娠後半になって確認される場合は、予後がさほど悪くなく、出生後に薬物療法(ブレオマイシンなどの局部注射)や外科的切除などが行われます。 |