女性の生殖に関する臓器 |
女性性器の構成 |
女性性器は、骨盤内の中央に位置して、内性器と外性器に分かれています。
内性器 卵巣・卵管・子宮・腟をいいます。特に卵管と卵巣をまとめて子宮付属器と呼ぶこともあります。
外性器 外陰部 |
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卵巣 |
★働き 女性ホルモンの分泌と卵子を作り排卵します。
★位置 子宮の両側後方にそれぞれ1つあり(計2つ)子宮と卵巣固有靭帯、骨盤と骨盤漏斗靭帯でつながっています。
★組織学的構造 卵巣は表面から順番に表層上皮、白質、皮質、髄質と呼ばれる組織があります。
・皮質 |
表層上皮〜白質の下にある組織で、たくさんのいろいろな発育段階の卵胞があります。 |
・髄質 |
多くの血管、リンパ管、神経があります。 |
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卵管 |
★働き 卵巣から排卵された卵子の捕捉と子宮までの輸送をおこないます。また精子と卵子の受精と受精卵の分裂などが起こる生殖現象の場でもあります。
★位置 子宮の両側にそれぞれ1本づつある管状臓器(チューブ状の臓器)で長さは7〜15cmです。外側は卵管腹腔口といい、内側は卵管子宮口といって子宮腔につながっています。
★卵巣の区分
・卵管間質部 |
卵管が子宮筋層内を通る部分(子宮内のトンネルと思ってください) |
・卵管峡部 |
卵管の子宮側1/3の部分 |
・卵管膨大部 |
卵管の外側2/3の部分で外に向かうほど広がり(卵管漏斗)、先端は柔らかい房状の卵管采と呼ばれる部分になり腹腔口に開口しています。 |
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子宮 |
★働き 内膜に着床した受精卵を発育させ、成熟した胎児を分娩させる臓器です。
★位置 骨盤の中央にあり、前に膀胱、後に直腸があり厚い筋肉からできた中腔性の臓器です。胎児の成育の場所として子宮の上2/3を子宮体部といい、一番上を子宮底、卵管につながる部分を子宮角と呼びます。下1/3は成育した胎児の通過管として子宮頚部といい最下部の腟に出ている部分を子宮腟部といいます。また子宮口は2つあり腟にある部分が外子宮口、子宮峡部を内子宮口といいます。さらに内子宮口は解剖学的子宮口と組織学的子宮口に分かれます。この子宮峡部は非妊娠時は1cm程ですが妊娠すると7〜8cmまで伸びます。
★子宮の構造 大きさは、鶏のたまごほどの大きさで、重さは(個人差がありますが・・)60〜70gほどです。外側から子宮外膜、子宮筋層、子宮内膜になります。
・子宮外膜 |
腹膜(腹腔内のほとんどの内臓と腹壁の一部を覆っている薄い漿膜)で覆われています。特に子宮の裏側と直腸の間をダグラス窩(ダグラスか)といいます。 |
・子宮筋層 |
厚い平滑筋1)で出来ています。妊娠すると非妊娠時の10倍にもなります。 |
・子宮内膜 |
通常厚さ1.5〜2mmで受精卵を着床させて発育させる部分です。 |
1)平滑筋とは、意識的に動かすことの出来ない筋肉で、自律神経に支配されています。
心臓を除く内臓や血管などの壁を構成する筋肉です。内臓筋ともよばれます。
また子宮は、子宮円靭帯、膀胱子宮靭帯、基靭帯、仙骨子宮靭帯などによって骨盤内に固定されています。 |
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子宮頚管 |
子宮頚部にあり、腟と子宮腔をつないでいる管状の部分です。腟側を外子宮口、子宮側を内子宮口といい、通常妊娠中は硬く閉じていますが、分娩時には直径10cm程に拡がり産道の一部になります。 |
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腟 |
★働き 子宮と外性器の通路であり月経時は排泄路として、分娩時のは産道になります。また性交時の交接器官です。
★構造 前後に扁平で幅は2〜3cm、長さは前壁(膀胱側)6〜8cm、後壁(直腸側)8〜10cmで、後壁が長い形をしています。 |