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水痘(水ぼうそう、ムンプス)

水痘はヘルペスウイルス科に属するDNA ウイルスです。初感染により水痘ウイルスは神経節(神経の関節のようなものとお考えください)に潜伏して終生身体の中に残ります。
この潜伏しているウイルスが体力低下などを機会に再活性化して帯状疱疹を発症することがあります。
ウイルスは水痘患者さんの上気道粘膜・皮膚水疱内容液中に、帯状疱疹患者産では皮膚水疱内容液中に存在し、これらからの飛沫および接触で感染します。
感染力が強く、不顕性感染は少なくわが国では小児期に初感染が成立することが多いので成人の水痘ウイルス抗体保有率は90%前後と高率です。
水痘患者さんは発症の48 時間前から感染力があり、すべての皮疹が痂皮化するまで感染性が持続します。
 
   
感染経路 飛沫感染、接触感染
一度感染すれば、終生免疫が得られるので、再感染はありません。
 
   
潜伏期間 10〜20日 
   
症状 38℃台の発熱、倦怠感、食欲不振、直径3〜4oの紅色皮膚疹、この皮膚疹は時間を追って水疱→膿疱→かさぶた、に変化していきます。個々の皮ふ疹は4〜5日でかさぶたになりますが、全体の水疱がかさぶたになり消えるまでには7〜10日くらいかかります。特徴は、頭の中にもこの水疱が確認できることです。
過去に罹ったことのない(分からない場合)は妊婦さんの血液中のIgG抗体を測定しながら、感染した人の水疱がすべてかさぶたになるまで接触を極力避けるしかありません。
 
   
妊婦さんへの影響 妊娠中に初感染すると、水痘肺炎を起こして重症化することがあります。 
   
胎児への影響 母体が水痘に罹った時期によって症状が異なります。
★妊娠20週以前に罹った場合 
経胎盤感染によって胎児が感染します。1〜2%の児に先天性水痘症候群(低出生体重,皮膚瘢痕,四肢低形成,小頭,脳皮質萎縮,脈絡網膜炎,白内障,自律神経症状などの特徴的な異常が出現する)という病気に罹りますが、国内では報告例が有りません。

★妊娠20週以後に罹った場合 
妊娠中に水痘に罹ったた母から生まれた乳児が水痘に罹ったことがないのに帯状疱疹が出現する事があります(乳児期帯状疱疹)。経胎盤的に感染して神経節に潜伏していたウイルスが 、乳児期早期に何らかの原因で再活性化するためと考えられテいます。海外での報告の頻度は0.7%前後でした。

★分娩前後の感染 
分娩前後の妊婦さんが水痘に罹るとると、水痘ウイルスの経胎盤感染によって25〜50%の新生児に感染し、潜伏期平均10日で水痘が発症します。このとき新生児水痘の予後は母体の抗ウイルス抗体が産生されて胎児にに移行したか否かで左右されます。
@母体の発症が分娩6日以上前 新生児は生後0〜4日で水痘を発症しますが、母体のウイルス抗体も同時に移行しているため重症化しません。

A母体の水痘発症が分娩5日前から産褥2日まで 新生児は生後5〜10日以内に発症しますが、母体の抗体が移行していないため重症化します。新生児の症状は水痘に肺炎、脳炎などを併発することが多く、死亡率は30%に及びます。

B母体の水痘発症が産褥3日以降 母体が潜伏期間(ウイルス血症ピークを迎える前)に児が生まれているため、経胎盤感染していないと考えます。しかし母体のウイルス抗体の移行もないために、新生児は母体から通常の感染経路で感染する危険があります。 
   
治療 水痘に罹っている可能性のある新生児には、生後早期に抗水痘ウイルス免疫グロブリンを投与します。発症してしまった場合は、抗ウイルス剤(アシクロビル)の点滴治療を行います。 
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