トキソプラズマは、人獣共通感染を起こす胞子虫類に属する細胞内寄生性原虫です。妊娠中に初感染(初めての感染)すると、胎児に感染することがあります。 |
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感染経路と症状 |
土や猫の糞、加熱処理不十分な肉(馬刺、牛刺、鳥刺、レバ刺、鹿刺、レアステーキ)などから、消化管の粘膜を介して感染します。特異的な症状は無く、疼痛や化膿傾向が無い頚部リンパ腺腫脹、疲労感、発熱、咽頭痛などです。
妊娠中に、初感染すると、胎児に感染することが有ります。 |
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検査診断方法 |
妊婦検診の初期検査でトキソプラズマ抗体を調べます。これが陽性の時には、感染時期の診断のためにトキソプラズマIgM抗体を検査します。トキソプラズマIgM抗体が陰性であれば、古い感染であることが診断でき、現在の胎児には影響ありません。 |
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母子感染 |
妊娠中に初感染をした際の母から胎児への感染率は、15〜45%です。初感染した母体へ抗生物質治療をしても、胎児への感染率を低下させることはできませんが、先天感染児の合併症を30%程度に、特に重症後遺症を14%まで減少させるという報告は有ります。 |
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胎児に感染した場合の症状 |
1)水頭症
2)網膜結膜炎(出生時認められなくとも、成人するまでに約40%に出現)
3)肝臓や脾臓の腫大
4)黄疸
5)発熱
6)貧血
7)リンパ節腫脹
8)羊水過多症 |
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治療 |
妊娠中の初感染を否定できなければ、アセチルスピラマイシンによる治療を開始します。
また、胎児感染の確率が高いときには、羊水検査を行い、羊水中トキソプラズマの有無を検査します。
@羊水中に検出できない時→未だに、胎児感染成立していないので、アセチルスピラマイシン治療の続行
A羊水中に検出した時→ファンシダールやスルファドキシンという薬に変更して、超音波検査をしながら管理を続けます。 |