日本では、全結核感染者はわずかに減少傾向にあると報告されていますが、逆に若年層(10〜40才台)では増加傾向にあるという報告もあります。結核患者さんが妊娠することも十分ありえることです。結核菌はあらゆる臓器に感染することが知られていますが、感染経路はほとんどが気道感染で肺結核が一番多いです。 |
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結核が妊娠に及ぼす影響 |
@妊娠高血圧症候群、不正出血、流産などは正常妊娠に比べて有意に高いという報告もありますが、一般的には正常妊娠と比較しても変わらないとされています。
A胎児の先天性奇形の発生率は、非感染者の発生率と同じで、結核感染が胎児奇形の原因になったという報告はありません。
B胎児が結核に感染する場合は、血液や羊水から感染するとされています。さらに子宮内膜結核があると感染頻度が増加します。 |
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診断 |
通常の内科的診断方法に従います。
ツベルクリン検査
胸部レントゲン検査
喀痰検査 |
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治療 |
一般に結核治療薬は、INH(isoniazid)・EB(ethambutol)・REP(rifampin)・SM(streptomycin)などがあります。これらの薬物に明らかな催奇形性は認められていませんが、SMだけは何例かの第8神経障害の報告があります。したがってINH(isoniazid)・EB(ethambutol)・REP(rifampin)の3種類を使用することが一般的です。
授乳中のお母さんに投与されたこれらの薬剤は、母乳への移行が少ないため、授乳をしても赤ちゃんへの影響は無いとされています。また、必要があれば分娩後の赤ちゃんに予防的にINHを投与することもあります。 |