リステリア菌 |
リステリア菌は、グラム陽性好気性短桿菌という種類の細菌です。細菌の周囲に4本の鞭毛(精子の尻尾のような物です。)を持ち、これを利用して水中などで動きまわります。
ただしこの鞭毛は25℃で動きが観察されますが、37℃では止ってしまいます。リステリア菌は、感染した宿主の体内で細胞外と細胞内の両方で増殖できる細胞内寄生菌で、人畜共通感染症です。 |
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感染経路 |
★経口感染、接触感染、垂直感染、
★滅菌されていない乳製品(低温殺菌牛乳、クリーム、カマンベールチーズ、ブルーチーズ)
未加熱の食肉・野菜・水・便(健常人の1〜5%に認められます。)、精液、腟分泌物、
などで検出されます。 |
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検査 |
インフルエンザ様症状でありながら,白血球増加など細菌感染を疑わせるので,リステリア症も疑うことが重要です。
血液,便,腟分泌物培養を行います。 |
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症状と治療 |
ヒトと動物で臨床症状がきわめて類似していて,インフルエンザ様症状で始まります。
★母体感染 絨毛膜羊膜炎、切迫流早産(子宮収縮)を起こします。経過は悪寒,頭痛,発熱,などで発症して,数日後から切迫流早産徴候が出現し急速に分娩となります。ペニシリン系抗生剤を使用しながら、培養でリステリア菌が検出されれば,直ちに急速遂娩術(帝王切開術)を行い、抗生物質はペニシリン+アミノグリコシドを投与します。
★胎児感染 子宮内胎児死亡であったり,新生児敗血症・髄膜炎などを起こします。産まれた新生児は、胎盤、羊水、胎便臍帯血、咽頭などの細菌培養を行って感染状態を確認します。新生児は、簡単に感染しやすく死亡率は50%
に達するので培養の結果を待たずにペニシリンなどの点滴治療をできるだけ早期に開始します。 |
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妊婦さんへの感染リスク |
妊娠中は、妊娠していない時期に比べて10〜15倍も感染しやすく、多胎妊娠は単胎妊娠に比べて3〜4倍感染しやすいという報告もあります。 |
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胎児の予後 |
リステリアが直接胎児の奇形を起こしたという報告はありませんが、髄膜炎、肺炎、敗血症、子宮内胎児死亡、新生児死亡など起こします。 |
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