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 B群溶血性レンサ球菌(GBS)
B群溶血性連鎖球菌(溶連菌)という細菌の一種です。腟の中に常在する菌の1種で、妊婦で調査するとその保菌率は10〜 20%といわれていますが、通常健康な成人には病原性はほとんどありません。
しかし新生児や高齢者などには重篤な感染症状を起こします。
この菌を腟内に持っていたり頚管炎を起こしている妊婦さんから生まれた赤ちゃんの36〜58%でGBSを検出しますが、実際に新生児GBS 感染症を発症する赤ちゃんは1%程度とされています。
すべての分娩でいうと新生児のGBS 感染症の発症頻度は0.1%以下(2,000 〜 3,000 分娩に1 例)と稀なことです。
   
症状 母体側の症状
症状や妊婦に対する影響はありません。また、妊婦さんにGBS感染があってもご家族に治療の必要も有りません。

胎児に対する影響
現在は、胎内感染の診断法はありません。母体がGBS陽性で未治療の場合、破水後12時間以降や分娩時に胎児感染します。しかし胎児に感染する確立は2000〜3000例に1例です。
症状は、肺炎、肺血症、髄膜炎などで、ときに後遺症として精神発達遅延、聴力障害、視力障害があります。
 
   
新生児に対する影響 新生児GBS 感染症は軽い呼吸障害,哺乳力低下などの症状ではじまり、急激に肺炎,髄膜炎,敗血症に進行することが多く,発症後の死亡率は25%ほどで,救命できても神経学的後遺症を残すことが多いとされています。
発症の時期から早発型(生後0 - 7 日以内)と、遅発型(生後7 日以後)に分けられます。

早発型
早発型は死亡率が高く、70-100%と報告されています。
新生児への感染経路は、分娩時産道を通る際に感染する場合(産道感染)と、出生後に感染する場合(水平感染)があります。
@出生後12〜24時間以内に呼吸障害で発症した場合、急速に呼吸不全やショック状態に陥り、死亡率は70〜100%におよびます。
A出生後1〜7日以内に哺乳力低下、発熱(細菌性髄膜炎症状)などで発症した場合、死亡率は20〜45%におよびます。
 
   
治療 母体の治療
スクリーニング検査などでGBS陽性が確認された場合は、ペニシリンなどの抗生物質を投与します。
また、破水した場合などにも予防的に抗生物質を投与します。しかし母体がGBS陽性であっても、新生児への感染がなかった場合は、特に母児の隔離や母乳制限などの処置は必要なく通常の日常生活をおくれます。

新生児の治療
感染徴候がみられた場合には、直ちに抗生物質の投与などの処置を行います。
 
   
赤ちゃんへのGBS感染を防ぐには 母体側の予防方法やワクチンなどはありません。母体がGBSを保菌しているかどうかを検査します。具体的には妊娠後期の妊婦検診で膣の細菌培養検査を行います。その検査で「GBS陽性」であった場合は、分娩中に母体に抗生剤を投与し児への感染を予防します。
未治療のGBS陽性の妊婦さんから産まれた新生児は、分娩時に細菌培養検査、さらに感染を強く疑うときには採血により炎症所見の有無を検査して感染の有無を早期検査します。
 

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