| A群レンサ球菌 | 
          
            | A群レンサ球菌の感染で問題になるのは、劇症型です。頻度的には非常にまれですが1980年代から劇症型A群レンサ球菌感染症として報告されるようになってきました。 報道機関などでは「人食いバクテリア」の名で報道された事もあります。
 厚生労働省研究班の定義では、「突発的に発症し、急激にショックから(24時間以内)多臓器不全または死に至るA群レンサ球菌による敗血症病態」とされています。
 妊娠中に問題になるのは、この感染症の一種である「分娩型」です。まだ症例数も少なく、新しい重要な疾患として提示されています。
 | 
    
            |  |  | 
    
            | 症状 | 妊娠末期の妊婦さんの典型的な症状は、 
 @前日から上気道炎(風邪)症状がある
 A入院が必要ような発熱と全身倦怠感が強くでる
 B子宮収縮が始まり、陣痛となり時間とともに比較的強い陣痛になる
 C胎児の心拍数に異常が見られるようになる
 D分娩したが、死産になる事が多い(胎児仮死のため帝王切開術施行される事もあります。)
 E分娩の数時間後にこんどは母体が多呼吸・血圧低下・意識混濁などの症状が次々に加速度的に出現して診断の付く前に死亡する
 
 以上の経過が1〜2日間で経過してしまいます。
 上気道からのA群レンサ球菌感染が原因とされ、膣からの感染が劇症型になったという報告はありません。
 比較的、初産婦よりも経産婦さんに多く発症しているという報告もあります。
 | 
    
            |  |  | 
    
            | 治療 | 早期の抗生物質投与は有効とされていますが、その量や投与期間など決まった治療方法は確立されていません。抗生物質を投与しても症状がまったく改善しない症例も有ります。症状が進行し始めた段階では、集中治療室などで対症療法していくしかありません。 胎児仮死のため帝王切開術施行して産まれた新生児の予後は良好とされていますが、帝王切開術施行が母体に及ぼす利害に関しては未だ不明です。
 |