妊娠中の赤ちゃんは、お母さんの体内にあるブドウ糖を胎盤から吸収し、お母さんの血糖値の70〜80%を維持しています。 分娩後の赤ちゃんは、お母さんからのブドウ糖の供給が途絶えるため身体に蓄積したブドウ糖を熱源として用いるようになり、出生後1〜2時間後に血糖値は最低になります。 健康な赤ちゃんであれば出生後3時間ほど経つと、自身の身体でブドウ糖の産生を始めるため血糖値は上昇してきます。 しかし、赤ちゃんは未熟なため、些細なことで血糖値の調節が出来なくなってしまいます。 |
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血糖の調節 について |
血糖の調節にかかわるものとして、体液性機構と神経性機構があります。
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分類 | Cornblathという博士が分類したものが最も有名です。
臨床的な分類法では一過性の低血糖と持続的な低血糖として大きく区分けしています。
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症状 | 低血糖症状は、産まれた当日〜翌日に発症することが多いですが、決定的な症状はありません。 刺激に敏感、全身の振るえやケイレン、眼球運動の異常、泣き方が異常、寝てばかりいる、哺乳力が弱い、吐いてばかりいる、動きに力が無い、多呼吸、無呼吸、全身に血の気が無い、徐脈、などがあげられます。 |
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血糖値検査対象と診断 | 妊娠中や分娩時にリスクがあった赤ちゃんが対象になります。 母体に糖尿病、妊娠高血圧症候群があった場合や赤ちゃん自身に低体重出生児、早産児、巨大児、新生児仮死などが認められた場合、さらに正常に生まれた赤ちゃんでも授乳量が少なかったり嘔吐を繰り返す時などに検査を行ないます。 通常、出生後1〜2時間ごとに血糖値を測定し安定した後も4〜8時間ごとに生後24時間は経過観察します。 臨床的に血糖値が40mg/dl以下になった場合を低血糖と診断しています。 |
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予防と治療 | 新生児低血糖症は早期に適切な治療を行なっても、発症後に中枢神経系の障害を残すことがあります。 発症してから治療をするのではなく、早期の予防が大切です。リスクが考えられる場合は早めに授乳を開始します。授乳が出来ない極低体重出生児、新生児仮死、呼吸障害などに対してはブドウ糖の点滴治療を開始します。 |